千葉県南房総市千倉町の高家(たかべ)神社は、日本で唯一料理の祖神を祀る神社で年に3回「包丁式」という、手で触れずに魚を捌く儀式が行われています。
ガイドブックでよく見かけますが、今まで行った事がありませんでした。
私も料理人の端くれですので、初めて高家神社への参拝と包丁式を見学させていただきました。
包丁式はその作法や由緒について丁寧に説明されながら進められていましたので、その時の動画もアップしました。
参考にしていただければと思います。
高家神社の由来
景行天皇が日本武尊(ヤマトタケル)の東国平定の事績を偲び、安房の浮島の宮に行幸された時の事。
家臣の磐鹿六雁命(イワカムツカリノミコト)が弓の弦を海に入れたらカツオが釣れ、砂浜を歩いていた時に足に触れた物をとるとハマグリがとれました。
磐鹿六雁命はそれらをなますにして差し上げたら天皇は喜び、その技を賞せられ朝廷の料理を作る職である「膳大判部(かしわでのおおともべ)」になり、代々の子孫は皇室の食事を司るよう賜りました。
その事が高家神社の起源となっています。
また「高倍(たかべ)様」として宮中醤院で醤油醸造・調味料の神として祀られています。
醤(ひしお)には野菜を発酵させた草醤(漬物)、穀物を発酵させた穀醤(醤油)、肉を発酵させた肉醤(塩辛)があって日本料理の基礎をなす物ですが、磐鹿六雁命がその由来とされ料理の祖神と言われる由縁であるとされています。
という事で授与所には料理に関するお守りや、限定醸造醤油「高倍」や千倉の塩などの調味料が置かれています。
包丁式
平安時代の光孝天皇は料理に対する見識が深く、天皇の命により多くの料理を後世に伝えたのが四条中納言藤原朝臣山陰卿(あそんやまかげきょう)で、四条流包丁式の祖とされています。
その時代に宮中行事の一つとして行われてきたのが包丁儀式です。
烏帽子(えぼし)、直垂(ひただれ)という相撲の行事のような装束で、包丁とまな箸を用いて、一切手を触れずに鯉・真鯛・マナガツオなどを調理します。
10時に着いたら包丁式は12時からとの事でした。
鳥居前の駐車場は来賓用で、少し先に一般用臨時駐車場があって11時の例大祭が始まる頃にはほぼいっぱいになっていました。その後は誘導係の方の指示で路駐になってしまうとか。
ごった返すというほどではなかったようです。
11時になると一番上の拝殿で例大祭が行なわれていました。
例大祭とはお祭りの一番重要な部分で、関係者が神様にお祈りする儀式です。
よく「コロナでお祭りが中止」と言われていましたが、お神輿が出なかったとしても神主と関係者で例大祭は行われているのです。
この厳かな空気に柏手を打つ音が響き、身が引き締まるようです。
茅葺屋根で伊勢神宮を思わせる高家神社は、天照大神と稲荷大神も祀られています。
例大祭が終わり階段を降りて奉納殿へ移動します。
最初に演ずる方々と私達にも宮司によってお祓いをしていただき包丁式が始まります。
今回は2匹の鯉を捌きます。動画で細かい説明をしてくれていますので、ご覧になってみて下さい。
高家神社の場所
千葉県南房総市千倉町南朝夷164
0470-44-5625
http://takabejinja.com/
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日本で唯一料理の神様を祀る高家神社の包丁式は毎年5月17日、10月17日の旧神嘗祭(きゅうかんなめさい)、11月23日の旧新嘗祭(きゅうにいなめさい)に行われます。
物事の節目にこのような神事に参加すると、日本人として忘れていた事を思い出したような気持ちになります。
ぜひカレンダーに書き込んでいただき、神事の空気に触れていただきたいと思います。