化学調味料不使用とか無化調という文字をラーメン店などで見かけますが、
化学調味料って体に良くないの?
そもそも化学調味料って何?
以前よりそういう疑問を持っていました。
化学調味料と言えば「味の素」
味の素 川崎工場で行われている工場見学に参加して、うま味調味料について学んで来ました。
味の素とは
今から100年以上前、東大の池田菊苗博士がドイツへ留学した際、ドイツ人の体格と栄養状態の良さに驚き「日本人の栄養状態を改善したい」と思いました。
ある日、自宅で湯豆腐に昆布を入れる事から「これこそが甘味・塩味・酸味・苦味とは違うもう一つの味」と確信し、昆布だしの研究に取りかかりました。
その結果、昆布だしの成分がグルタミン酸というアミノ酸の一種である事を発見し「うま味」と命名し、うまみ調味料の製造方法を発明しました。
これは「日本の十大発明家」と言われるほどの発見だったのだそうです。
その取り組みを共有した鈴木三郎助により、日本人の粗食を美味しくし栄養状態を改善するため、料理の美味しさを引き出し美味しくする「味の素」が商品化されました。
料理の美味しさは味・香・食感の組み合わせが左右しますが、うまみを上手にきかせると塩分控えめでも美味しさをそのままにできたりもします。
化学調味料と言われた経緯
1960年代NHKの料理番組で味の素という商品名が使用できず「化学調味料」として使用されていましたが、誤ったイメージを抱かせる用語として問題視され、うま味を付与するという特性や、原料や製法について正しく表現する名称でなかったため、行政の統計資料等も「うま味調味料」に変更されています。
うま味調味料は体に悪いのか?
味の素の製造方法はサトウキビの搾り汁の糖をうま味に変える発酵菌で発酵させ、純度を高めて、溶けやすいように結晶化された物です。
天然原料を発酵させて作られた商品なのです。
発酵によって得られたグルタミン酸は、野菜や昆布のうま味成分と同じで人体を構成するアミノ酸のひとつです。
そして、食品衛生法上の規定で食品添加物の調味料に分類され、膨大な安全性試験をすべてクリアしています。
「化学調味料不使用=安全」という売り文句で、塩分や脂肪分をたっぷり使ってインパクトのある味を作っているお店もあるかと思いますが、それはそれで体に良くないのかもしれません。
今回参加した「ほんだしコース」では、お湯に味噌を溶いただけの味の薄い味噌汁にほんだしを軽く2振りするだけで味が格段に美味しくなる体験をしました。
男女ともに忙しくなる現代では、簡単に美味しい食事ができるという事も大切なのではないかと思います。
そういう意味でも、うま味調味料の安全性がもっと認識される事を願っています。
味の素 見学コース
味の素 川崎工場には「うま味体験館」という施設があって、実際の作業が行われている工場内を見学しながら学べるツアーがあります。
ネットで予約をするのですが、人気のようでなかなかとれませんでしたが、たまたま見た時に「ほんだしコース」に空きができていたので参加しました。
我が家でほんだしは必需品で、何にでも入れてしまいます。
そのほんだしについて学べるという事で、とても楽しみにしていました。
その他には以下のようなコースがあります。
「クノール®」スープコース
「Cook Do®」親子コース
「Cook Do®」コース
「ほんだし®」コース
「味の素®」コース
「味の素®」親子おしごと体験 イベントコース
詳細・予約はこちら▼
https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/kengaku/kawasaki/
受付を済ませ集合時間まで味の素が出来るまでの資料を自由に見てから、10分ほどの映画で会社の方針や歴史などを見てバスで工場内へ移動します。
コースによって行く場所が違うようです。
とにかく広い敷地です。
駅を出た所が会社の入り口って、初めて見る光景かもしれません。
ほんだしの製造工程
ほんだしコースの入り口は和風。
基本的に工場内は撮影禁止なので、「ここはOK」という場所で記念撮影。
ほんだしの粉末は何でできてるんだろう?と思っていましたが、鰹節を粉末になるまで砕いて、かつおエキスと塩とうま味調味料を加えて乾燥させた物でした。
かつおエキスとは、かつおぶしを作る工程で生のかつおをお湯に通すのですが、そのだしを煮詰めた物です。
だしは香りが大切ですので、その香りを引き立たせる役目をしています。
ほんだしには3種類のかつおぶしがブレンドされています。
実際にかつおぶしを削る体験をさせてもらえました。
4人分のだしをとるのには、この引き出しに満タンのかつおぶしが必要なんだそうです。
確かにそれは大変ですね。
次に味噌汁を作りひと口味見します。
お湯に味噌を溶かしただけの薄くて美味しくない味噌汁です。
しかし、ほんだしをパラパラっと2振りするだけで料亭の味!
ほんだしの製造工程を見てもわかる通り、熱を加えなくてもいいのだそうで、後から入れる事によって香りが立って美味しくなるのだそうです。
私はスープ類や炒め物に使う事が多かったのですが、サラダにひと振りして食べたり、ご飯にほんだしを混ぜておにぎりにしたりするようになりました。
見学でもらったレシピにあった、ほんだしとマヨネーズを食パンに塗って焼いて食べるとか最高でした。
味の素 川崎工場の場所
神奈川県川崎市川崎区鈴木町3-4
0120-003-476
京浜急行 大師線「鈴木町駅」徒歩1分
駐車場 無し
https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/kengaku/kawasaki/
まとめ
最近では化学調味料と言わずうま味調味料と言われるようになった味の素ですが、天然の原料によって作られている事を知りました。
また、塩分などをたくさん使わなくても美味しい味になるという点で、体に悪いという印象が無くなりました。
現代の食生活は味の濃い傾向にあるのではないかと思われますが、日本ならではの「だし」や「うま味」という物に興味を持つ人が少しでも増えてくれるといいなと思います。
工場見学に参加すると、目から鱗が落ちるような経験ができますので、また機会があれば参加したいと思います。