七面山奥之院の宿坊で参籠し御来光を拝むという貴重な体験

七面山奥之院よりご来光を拝む おすすめ 宿
七面山奥之院よりご来光を拝む
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山梨県身延町の七面山は七面大明神という法華経と身延山を守護する神が宿る山で、その山頂にある宿坊で参籠(さんろう)と言って寺に泊まってお勤めする事ができます。

私の家は日蓮宗で親の年代は寺の住職と一緒に登頂しています。

先日親戚の人と話しているとき「死ぬまでに1回は行かなくちゃと思って行ったよ」という話を聞きました。

だいたい私の年齢である50代から60代に登る事が多いようなのですが、私は今年56歳で父の亡くなった年齢になった事で「今年行ってみよう」と思い1人で挑戦してきました。

雨予報ながら御来光も見る事ができて、最高の思い出になりました。

この記事では、今回お世話になった「七面山奥之院」について紹介します。

七面大明神とは

妙石坊の高座石
妙石坊の高座石

日蓮聖人は身延山へ登り、父母の墓のある房総の方角を拝み両親を偲ばれました(現在の思親閣)

下山の途中で妙石坊の高座石と呼ばれる大きな石に座り信者に説法をしていると、一人の若い女性が熱心に話を聞いていました。

見かけない人であったので人々が不信に感じている事を察して、日蓮聖人が「本当の姿を見せてあげなさい」と言いました。

女性は微笑んで「お水を下さい」と言いました。

日蓮聖人が水差しの水を一滴女性に落とすと、女性が龍の姿になりました。

「私は七面山に住む七面大明神です。身延山の裏鬼門をおさえて、身延山を守っています。法華経を修行し南無妙法蓮華経のお題目を唱える者を守護し、その苦しみを除き心のやすらぎと満足を与えます」と言い七面山の方へ飛び去って行きました。

日蓮聖人はいつか七面山に登って七面大明神を祀ろうと思っていましたが、果たすことができませんでした。

日蓮聖人がお亡くなりになられた16年後弟子の日朗上人らが、道なき七面山に登られました。

影嚮石(ようごうせき)
影嚮石(ようごうせき)

七面山に登ると大きな石があって、その石の上に七面大明神が現れ一行をお迎えになりました。

日朗上人はこの石を「影嚮石(ようごうせき)」と名付け、その前に祠を設けて七面大明神を祀り、影嚮宮(ようごうのみや)としました。

これが七面山奥之院の由来です。

七面山奥之院

本堂は影嚮石のそばにあります。

七面山奥之院の場所

山梨県南巨摩郡早川町角瀬
0556-45-2125
http://www.7okunoin.net/

七面山案内図

身延山と七面山が同じと思っている方が意外と多かったのですが違う山なんです。

身延山の奥之院である思親閣まではロープウェイで7分で行く事ができますが、七面山の奥之院へは急な山道を登山しなければ行けません。

私は登山初心者で初めての山が七面山だったのですが、5時間かかりました。

その時の様子です

七面山登山



まさに修行です。

しかし、この苦しい修行の末にたどり着いた聖域で、寺に泊まって朝晩のお勤めをさせていただけるという、こんな体験はなかなかできません。

私は千葉県勝浦市を夜中の1時に出発して、6時に登山口に到着、8時30分に登り始めて13時30分ころ登り切りました。

もう1つの宿坊「敬慎院」や「一の池」に立ち寄り奥の院に到着したのが15時近く。

この苦労があってこその心境は体験してみないとわからないかもしれません。

参籠

七面山奥之院の部屋

みんな一緒の部屋で寝るのかと思っていたら個室でした。

というか宿泊者は私だけ。

少し雨に降られたのでストーブをつけて服を乾かします。

洗濯機や乾燥機もありました。

携帯の電波ですが、登山中は問題なく奥之院の境内も電波状況は良いです。しかし、部家の中は弱いようでした。

お客様用のWiFiはないとの事です。

全てが修行ですので、最小限の事ができればいいのかな?全く入らないわけではないので、逆に携帯離れができてよかったような気もします。

奥之院浴室

汗だくで足パンパンですのでお風呂はありがたい。

石鹸やシャンプーは使えません。タオル・歯ブラシ・髭剃り・パジャマなどありません。

参籠も修行の1部ですので、旅館のような感覚ではいけません。

夕食

霊場では生臭物は食べられません。精進料理をいただきます。お酒1合が染みます。

食事は部屋に持ってきてくれて、食べ終わったら器を重ねてお勝手に持って行きます。

夕食は5時30分でした。

御開帳と朝夕のお勤め

食事のあと6時15分に本堂に行くよう放送が入りました。

宿泊される方は御開帳に参加しなければなしません。

御開帳は本堂の奥に入れてもらい、普段は見えないように安置されている七面大明神像の扉を開けて30分ほどしっかりとお経をあげます。神様にどうやって拝むのかと思っていましたが日蓮宗のお経でした。

そのあとは七面大明神の扉を閉めて通常の場所に戻ってきて、熱のこもったお経が始まります。

この時にお願いしていたご祈祷もしていただき、トータル1時間ほどで終わりお札を受け取り部屋に戻りました。

その後もお経の声が聞こえていました。

御来光

御来光前の景色

4時35分に外の広場に集合という放送が入り外に出ると、雨予報であきらめていた御来光が見えるかもしれない状況でした。

本当に雲の上なんですね。富士山が美しかったです。

お坊さんが2人出てきて「南無妙法蓮華経」太鼓とともに唱えます。

七面山奥之院の御来光

しばらくすると太陽が出て来ました。

これは本当にありがたい光景です。

曇り

家族にラインを送ったりしている間に富士山は雲の中に入ってしまいました。

この瞬間だけ晴れたんですね。

その時の動画です。

そのあと本堂に上がって30分くらい朝のお勤めがあって朝食です(6時頃)

水神

これは中庭にある水神様。私がご飯を食べてる間も水神様や各所で朝のお経を読み上げていました。

食事が終わると食器を戻し7時ころには出発するという事になります。

七面山秘伝の妙符

妙符

妙符とは神仏の加護がこもった赤い粒で飲むお守りといわれ、半年以上お題目・お経をあげられています。

病気の時や七面大明神の御加護をいただきたい時などに赤いつぶにお題目を唱え、水またはお茶で飲みます。

これを家族や親せきのためにいただいて下山しました。

まとめ

とてもハードな2日間でしたが、修行と言われる行程があってこそのありがたい体験でした。

途中の坊では温かいお茶を出してくれたり、帰る時には全員で見送ってくれたりと、人の温かさも感じる事ができました。

ぜひ機会がありましたら、体験してみて下さい。

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