千葉県勝浦市の山奥に大きなパラボラアンテナが見えます。
気になっていたのですが、今回初めて見学させていただきました。
この施設が地球にとって非常に重要な役割を果たしている施設だという事が分かりました。
そして、展示室のVTRで話すスタッフが「この仕事を知ってほしい」と言っていました。
この記事によってそんな思いが少しでも伝わってくれたらと願っています。
勝浦宇宙通信所とは
JAXA(宇宙航空研究開発機構)勝浦宇宙通信所は1968(昭和43)年2月に「勝浦電波追跡所」として開設されました。
主な業務は人工衛星の追跡と管制です。
大きなパラボラアンテナを使い、人工衛星の位置や機器が正しく働いているかどうかを確認するためのデータを24時間受信し、状況によっては人工衛星に指令電波を送信し、維持管理をする役割を果たしています。
敷地内には人工衛星からの電波を受信するパラボラアンテナが3基あって、一番大きなものは直径20mです。
この大きなアンテナが人工衛星の動きを追ってゆっくりと動いています。
人工衛星は太陽や月の引力、地球の重力などで徐々に軌道がズレて来てしまうので、常に監視し続けなければなりません。
また、最近話題になっている宇宙ゴミと言われるロケットの破片などが数万個単位で漂っていて、小さなものでも弾丸より速いので人工衛星を破壊する力があります。そういう物の位置も把握・予測して回避する指示を出しています。
勝浦宇宙通信所は地球を守る上で重要な役割を果たしている事がわかりました。
宇宙通信所のシステム
1.人工衛星が信号を発信
2.パラボラアンテナが信号を受信、増幅
勝浦・種子島・沖縄
スウェーデン・スペイン・サンチアゴ・チリ・オーストラリア
3.つくば宇宙センターへ送信
4.データを解析
5.制御・指令計画
6.制御データを送信
7.人工衛星へ指示
勝浦・種子島・沖縄
スウェーデン・スペイン・サンチアゴ・チリ・オーストラリア
というように、移動する人工衛星を複数のアンテナで追跡し指示を出しているのです。
その1つが勝浦にあるのです。
人工衛星の役割
そもそも人工衛星は何をしているのか?
展示資料を熟読して来ました。
地球観測衛星はロケットで打ち上げられ地球を周回して地球上の変化をくまなく観測していて、地震や火山活動による地殻変動や隆起など、数センチの制度で捉える事ができます。
陸を見守る衛星「だいち」
レーザーセンサーで昼夜問わず大地の最新の地形情報を精密検査をしています。
災害状況の把握や森林の違法伐採の監視をしています。
海を見守る衛星「しずく」
水の動きや気候変動を見守り気象予報や漁業に貢献。地表面や海面の温度、大気や植物も監視する事で、気候に影響を与える将来の気候変動を予測。
世界の海面水温を±0.5°Cの誤差で調べる事ができます。
降水量や水蒸気量を観測して洪水や集中豪雨対策、未来の気候変動を予測に役立てられています。
空を見守る衛星「いぶき」
宇宙から高機能センサーを使って地球温暖化の原因と言われる温室効果ガスを世界中くまなく観測しています。
火山など地上では近づくことが難しい場所でも、人工衛星がくまなく正確なデータを観測しています。
その他にはカーナビのGPSの制度を高めたり、災害時に電波が遮断された地域と衛星を介して通信ができるような開発も進んでいます。
また、森林火災や火山噴火などによる大気中の塵、陸と海に広がる植物、地表面の温度なども観測。農作物の生育、漁場の把握などへ貢献が期待されています。
人工衛星の実物が展示されていました。
宇宙に行ってた物ではなくて同じ物。開発にあたりいくつも同じものが作られているんですね。
思ったより小さくてびっくりしました。
勝浦宇宙通信所で通信・管制を行う衛星
・陸域観測技術衛星2号「だいち2号」
・ジオスペース探査衛星「あらせ」
・温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」
・温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」
・水環境変動観測衛星「しずく」
・気象変動観測衛星「しおさい」
・太陽観測衛星「ひので」
・惑星分光観測衛星「ひさき」
勝浦宇宙通信所の場所
千葉県勝浦市芳賀(はが)花立山1-14
0470-77-1601
見学(無料)10:00~16:30
不定休
駐車場あり
まとめ
実は昔ここのスタッフが私も所属していた野球チームに入って来ました。
その時に「きょう日本のロケットが飛ぶんですよ。すごくないですか」って言ってたのを思い出します。
その頃はみんなピンと来てなかったように記憶します。
あれから30年近く経つでしょうか?
展示室のVTRに白髪頭の彼を見つけました。
あの方はとても優秀な人だったんだな。
そして、ずっとこの仕事を続けて地球を守ってたんだな。
と思うと何とも言えない気持ちになりました。
ありがとうございます。
これからも頑張って下さい。
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