五龍神方位除けの田無神社は強力なパワースポットとして有名です。
息子が近くに住んでいた時があって、引っ越しの時に青梅街道沿いの行列が気になって見に行ったのが田無神社との出会いでした。
それ以来、行くたびに立ち寄ってお詣りしました。
現在息子は勝浦に帰って来ていますが、私だけ年に一度は田無神社を訪れています。
思いがあり御祈祷をお願いした時の事、「千葉県勝浦市の屋代浩明の~」と神前でお祈りしていただくのですが、御祈祷が終了した後に「勝浦から来られたんですか、この神社の彫り物は勝浦の嶋村という人の作なんです。それがきっかけで友好都市になったんですよ」と神職の方から教えていただきました。
「へー」って感じだったのですが、後日勝浦でその話をしたら資料を見せてくれた方がいまして、作品の凄さに息を呑みました。
しかも、あの波の伊八の師匠にあたるんだそうです。
西東京市と勝浦市は、平成15年10月22日、友好都市の提携に伴う盟約調印式を行いました。この友好都市提携にあたっては、田無神社本殿の彫刻と、勝浦市の町会で所有している祭り屋台彫刻の作者が、江戸時代末期の神社仏閣の彫刻師として活躍した嶋村俊表(しまむらしゅんぴょう)であったということがきっかけとなっています。
と両市のホームページにも書かれていました。
どおりで勝浦の人に波の伊八と言ってもびっくりしない訳です。
田無神社の宮司は何度も勝浦へ来られて交流されたようです。
ぜんぜん知らなかった。
そうとなれば実物をこの目で見に行かなければ、という事で田無神社へ行ってきました。
嶋村俊表(しまむらしゅんぴょう)とは
田無神社本殿を手掛けた嶋村俊表は、嶋村峻元(しゅんげん)を祖とする嶋村家の八代目に当たります。
嶋村家は、石川家・後藤家とともに江戸で最も有力な「彫り物大工御三家」の1つとなる、多くの名工を輩出した名家でした。
嶋村家2代目は成田山新勝寺の重要文化財となった彫刻を手掛けています。
3代目の弟子には「関東に行ったら波を彫るな」と言わしめた「武士伊八郎信由」通称「波の伊八」もいます。
中でも8代目「俊表」の作品は評価されていて、田無神社の他には川越氷川神社本殿の彫刻も手掛けています。
中でも田無神社本殿は嶋村俊表の神髄を極めた作品だと言われています。
田無神社の神様は
主祭神 級津彦命(しなつひこのみこと)
級戸辺命(しなとべのみこと)
大国主命(おおくにぬしのみこと)
風を司る神である級津彦命・級戸辺命は神風を吹かせ日本の国土をお守り下さった神様、そして日本国土を開拓された神である大国主命を祀ります。
境内各所に金龍・黒龍・白龍・赤龍・青龍を配祀し「五龍神」として信仰されています。
・黒龍(北)健康祈願・家内安全
・白龍(西)良縁・金運向上
・赤龍(南)勝負運・成績向上
・青龍(東)技芸向上・就業成就
・金龍 中心の本殿
神社にはこのような看板がある所が多く毎年星回りの厄年が変わり、悪い年に当たる生まれ年はこのように表示されますので、気にする人は方位除けの厄除けをします。
(年の境目は節分だという話もありますので、1月生まれの人は前の年が該当するようです)
田無神社は五龍神にそれぞれ祈願する人も多いのですが、各方位を守る「五龍神方除け」が有名です。
もちろん龍の例力による運気上昇も強力ですので、幅広い祈りに応えてくれます。
大国主命の神社という事で「国家安泰」のお札を見つけました。
小さな願いよりもまずは国家安泰や世界の平和を祈れるようでなければなりませんね。
道祖神は厄災の侵入防止のため村の守り神として、道の辻や集落の境に祀られる神様です。
天孫降臨で道案内を務めた猿田彦命(さるたひこのみこと)と天鈿女命(あめのうずめのみこと)の夫婦神が御神体として祀られています。
みちひらきの神様と芸能の神様の神社には有名人の参拝も多いようです。
今は展示していませんが、何年か前までは多くの有名人の絵馬が飾ってありました。
田無神社へ
西武新宿線田無駅から徒歩10分ほど歩いた所に田無神社はあります。
鳥居をくぐるとさっそく嶋村峻表の彫刻を紹介する看板がありました。
本殿とは神社の建物の奥にある御霊が入っている一番重要な所です。
それにしても素晴らしい作品です。
田無神社の彫刻を探していきます。
今まで気にしてなかったのですが、そこらじゅうに素晴らしい彫り物があります。
中は撮影できないので見るだけにしましたが凄いです。
お守り授与所で「私は勝浦から嶋村の彫刻を見に来たのですが、拝殿の彫刻はみんなそうですか?」と念のため聞いてみました。
「あれは嶋村を見習って地元の職人が彫った物で一般の人が見れるのは手水舎の所だけです」との事。
これですね。
実物を見る事ができる日がある
「ちょっとでいいから本殿を見せてもらえないか」とお願いしましたが、火災などから守るため覆われた中にあって宮司でも中に入れないんだそうです。
しかし、東京都指定重要文化財になったのを機に、酉の日のみ公開されるようになって、令和5年2023年は11月4日、11日、23日の夜に案内付きで見る事が出来るそうです。
これは絶対に行きたいと思っています。
勝浦秋祭りの屋台にも嶋村の彫刻が数多く見られます
「お江戸見たけりゃ勝浦ござれ、勝浦三町江戸勝り」という言い伝えが勝浦には残されています。
9月に行われる祭りでは、各地区の神輿が港に集まる合同祭が見せ場となっていますが、その翌日に行われる屋台の競演も見どころです。
市街地である勝浦区の上本町・仲本町・下本町・出水区の屋台には嶋村などの彫刻が数多く見られるそうです。
何気に見て気づかない事でも、こういう知識があると見方が変わりますよね。
コロナ渦で何年も公開されていませんが、今年は見れるのではないかと思われますので、じっくりと見てみたいと思っています。
まとめ
東京都西東京市と千葉県勝浦市は友好都市になっています。
そのきっかけは勝浦の嶋村俊表という職人が田無神社本殿の彫刻を手掛けた事でした。
江戸で「彫り物大工御三家」と言われた嶋村家で最も優れていたと言われる8代目嶋村俊表の作品は、9月に行われる勝浦秋祭りの屋台にも多く残されています。
天才と言われた嶋村俊表が残した作品が多くの人に知ってもらえる事を祈っています。
田無神社の場所
東京都西東京市田無町3-7-4
042-461-4442
https://tanashijinja.or.jp/
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