工場見学の中でも人気の「造幣局さいたま支局」の見学に行って来ました。
見学コースは貨幣が作られている工場と、古銭や記念貨幣などが展示される博物館に分かれていて、予約不要で自由に見学する事ができます。
平日は「工場見学ツアー(無料)」が開催されていて、詳しい説明をしてもらいながら見学をする事が出来ます。
予約方法は電話のみ 048-645-5899
今回工場見学ツアーに参加できましたので、「どのような事を学べるのか」をお伝えします。
博物館は一部を除き撮影可能ですが、工場内は一切の撮影が禁止されています。
造幣局って何をやってる所?
貨幣(硬貨)を製造しています。
紙幣(お札)は印刷関係になるので、違う所で製造しているのだそうです。
大昔は物と物を交換する「物々交換」で欲しい物を手に入れていました。
しかし、欲しい物を相手が持っていなければ成立しませんし、持っていたとしても相手にとっての価値と釣り合わなければ成立しません。
そこでお金で物を売買するようになりました。
徳川家康が日本で初めて貨幣制度の統一に取り組みます。
しかし、江戸時代末期頃には色んなお金があって、地方でしか使えないお金や、形や大きさが違ったり、どのお金を信用したらいいのかわからない状況でした。
金の含有量が多い物が外国に持ち出されて売られたりという事も多くなります。
特に外国との交易には貨幣に対する信頼性を向上させる事が必要だという事で、莫大な国の予算を使って大阪市に造幣局が創設されました。
広島市とさいたま市に支局があり、さいたま支局では通常硬貨の製造の他、プルーフ貨幣・勲章・貴金属製品の品位証明を行っていて、オリンピックのメダルもここで製造されています。
プルーフ貨幣とは
さいたま支局の貨幣製造はプルーフ貨幣が中心となっていて、プルーフとは貨幣の仕上げの名称で、特殊な技術を用いて特別に仕上げた貨幣です。
工場見学で実際の製造現場を見る事ができましたが、材料をピカピカに洗浄して磨き、圧印機で複数回連続して圧印し、鏡のような光沢と鮮明な模様を持つ貨幣に仕上げていきます。
1つ1つ人の手で作られ、人の目で確認されて、少しでも問題があるとはじかれてしまいます。
金属工芸品のレベルですので、長く記念品として保有してもらうのが目的です。
博物館内の売店「ミントショップ」で販売していました。
勲章とは
勲章は国家または公共に対して功労のある人に授与される物で、内閣府から依頼を受けて製造されています。
美麗・尊厳・品格を兼ね備えている事が要求されるので、熟練した職員が精巧な技術と細心の注意を払って、手作業で製造しています。
勲章は博物館に展示されていますが、この部分は撮影禁止でした。
実際に製造している所を見ましたが、釉薬を少しずつ何重にも焼いて色を付けたり、細かな細工をヤスリで削って作ったりと、かなり細かい作業でした。
2020年東京オリンピックのメダルもここで製造されました。
金メダルは550g、純銀に金メッキで作られているとか。
ガイド付きだとそういう情報を教えてくれたりするので楽しいです。
多くの記念貨幣も展示されていました。
奥で金色に輝く物は金の割合が高く、今なら13万円の価値があるのだそうです。
こういうのがたくさん展示されていますし、販売もされています。
貴金属製品の品位証明
指輪やネックレスなどの貴金属製品は、目で見てもその品位(純度)が簡単に識別できませんので、造幣局は貴金属製品の製造及び販売業者から依頼を受けて品位試験を行い、合格した物にはホールマークという品位証明記号を打刻して品位の照明を行っています。
偽造防止のための技術
精密に製造されている日本の貨幣ですが、過去に何度か偽造されているそうで、令和3年に新しくなった500円貨幣にはたくさんの偽造防止の技術が組み込まれています。
ドーナツ型の金属に丸い別の金属をはめ込むバイカラー・クラッド技術を採用。
各所に施された、肉眼では確認が難しいほど小さな微細文字。
側面のギザギザが不規則。これは大量生産型貨幣では世界初。
光の反射や角度で現れる文字。
一見色の濃淡のように見えて細かい点で構成されている微細点。
このような技術がたくさん使われているという事は、やはり説明を聞かなければ知らないで終わっている事ですね。
造幣局さいたま支局の場所
埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-190-22
048-645-5900
https://www.mint.go.jp/enjoy/plant/plant-saitama/plant_visit_saitama.html
JRさいたま新都心駅より徒歩12分
まとめ
さいたま新都心駅からショッピングモールを抜けて公園を歩くと見えて来る造幣局さいたま支局ですが、たまたま他の見学者がキャンセルになったという事で、ガイドさんと私だけのマンツーマンでの見学となりました。
その後の組も少人数でゆっくりと説明してもらいながら工場や博物館をめぐります。
技術者の方が造幣局の精密な作業を見て勉強するために来られる事も多いとか。
所用時間は90分ほど。
得意分野の知識をさらに増やすというのもいいですが、知らなかった世界を知るという事も新鮮でいいですね。
またどこか工場見学に行って記事にしようと思っています。