天孫降臨の際に天から降りて来た神々を地上で迎え案内した猿田彦大神(サルタヒコオオカミ)は、「みちひらきの神」「道祖神」として多くの神社に祀られています。
佐瑠女(サルメ)神社の天宇受売命(アメノウズメノミコト)は猿田彦大神の妻神で「芸能の神」です。
道を開く神と芸能の神の神社ということで芸能人の参拝者も多いようです。
特にこの神社は猿田彦大神の直系の子孫が代々宮司をつとめるという、由緒正しい神社なのです。
今回3回目の参拝で、個人的に新しい事を始めたばかりという事で特別に御祈祷をして頂いて来ました。
伊勢の地にこの神社ができた由来や、神々の関係性などをお伝えできたらと思います。
猿田彦大神について
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の命により、天照大神の孫(天孫)である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)達が地上に降り立ったのが「天孫降臨」です。
その舞台は宮崎県の高千穂です。
その時、天と地の間にある「あめのやちまた」という難所で待ち迎えていたのが猿田彦大神で、天孫ご一行を高千穂の峰に導かれました。
その事から、物事の最初に現れ、万事良い方向へ「おみちびきになる」大神とされ、建築・方位除け・災難除け・開運・事業発展・五穀豊穣・大量満足・などみちひらきの御神徳で知られています。
天孫をおみちびきの後は伊勢の五十鈴川の狭長田を本拠地として、国土の開拓を指導されました。
垂仁天皇の皇女の倭姫命(ヤマトヒメノミコト)が神宮鎮座のの地を求めて諸国を巡り伊勢に到着された時には、猿田彦大神の御裔である太田命(オオタノミコト)がお迎えし、猿田彦大神以来守護してきた五十鈴の川上の霊域を献上されました。
そしてそこに皇大神宮(内宮)が創建されたと伝えられています。
猿田彦大神と太田命の子孫である宇治土公(うじのつちぎみ)は、神宮において「玉串大内人」という職になり、御神体を御船代や正殿中央に建てられる心御柱を奉納するなど重要な役割を果たしてきました。
その宇治土公家が代々宮司として奉仕する猿田彦大神の本社が伊勢の猿田彦神社なのです。
太田命は相殿として祀られています。
佐瑠女神社について
境内に猿田彦神社本殿と対面するように建つ佐瑠女神社です。
御祭神の天宇受売命(アメノウズメノミコト)は芸能の神様という事で白い旗には有名な芸能人の名前が書かれていました。
なぜ芸能の神様なのかというと、天照大御神(アマテラスオオミカミ)が天の岩戸(アマノイワト)に籠られ世が闇に覆われてしまった際に、天宇受売命が神楽を踊り天照大御神を岩戸から誘い出し平和な世に戻したからです。
その時に天宇受売命が手に持っていたのが「招霊(おがたま)の木」でした。
巫女さんが神楽を舞う時に持っている鈴はこれを持って踊る天宇受売命の姿が起源だと言われています。
この事から俳優(わざおさ)の神、技芸、技術の上達を導く芸能の祖神として音楽関係・芸能関係者・習い事の上達など、成功を願い人々に崇拝されています。
そして天孫降臨では瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)のお供で地上に降りて来ます。
待っていた猿田彦命が怖かったと言われていますが、天宇受売命が歩み寄り名前を聞きます。
天上の神様と地上の神様との間を取り持った事により、男女の縁に限らず様々な人や物、仕事などの縁を良い形で結ぶ良縁の神様として崇拝されています。
天孫降臨後に猿田彦大神が伊勢に来られた時に天宇受売命も一緒に来ます。
瓊瓊杵尊から功績を認められた天宇受売命は「猿女君(さるめのきみ)」という称号を授けられました。
さらに天宇受売命の御神徳には「鎮魂」「振魂」という物があります。
鎮魂とは高ぶる心を鎮め落ち着かせ、穏やかで素直な心の人であるようにする事です。
振魂とは眠っている力を呼び覚まし、活力あふれる若々しい活動の出来る人であるようにする事です。
ご祈祷をお願いしました
神社では受付で申し込むと特別に本殿に入りお祓いをしてくれるとともに、神職が神様に具体的な願い事を伝えてくれます。
本殿奥に神様が鎮座する本当の本殿があるのですが、すぐ目の前にせり出した御霊のすぐ近くでの儀式となりますので、張り詰めた空気でピリピリしています。
もわっと神様が出て来て神前に置かれた私のお守りを触ったような、錯覚というか妄想というか想像というか?不思議な感覚でした。
そして授与品を頂きました。
こちらではお札とお守りを選べますので、お札は買った物を神棚に納めてご祈祷した人だけしか頂けないお守りをいつも近くに置いて仕事をしています。
3月に訪れた時はかなり迷い途方に暮れていましたが、今は明確な進むべき道が示されています。
御祈祷の体験により勇気づけられた事は間違いありませんし、何かが動き出したという感覚があります。
本当に良いお参りでした。
猿田彦神社の場所
三重県伊勢市宇治浦田2-1-10
059-622-2554
御祈祷は朝9:30頃からだそうです。
まとめ
物事の最初に現れ、万事良い方向へ「おみちびきになる」大神とされ、建築・方位除け・災難除け・開運・事業発展・五穀豊穣・大量満足・などみちひらきの御神徳を持つ「猿田彦大神」
道祖神として土地の守り神ともされています。
そして、良縁・芸能・鎮魂・振魂の御神徳を持つ「天宇受売命」
この夫婦神が祀られる神社は全国に多くありますが、伊勢神宮内宮からおはらい町通りを抜けた所にある猿田彦神社は、猿田彦大神の子孫が代々宮司を受け継ぐ本社です。
伊勢神宮参拝の後にぜひ立ち寄ってご利益を頂いて下さい。
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