お弁当屋やおかずの1品としてよく見かけるひじきですが真っ黒い姿ですよね。
海の中に生えているひじきの原型を見た事のある人は意外に少ないのではないでしょうか?
我が家では毎年、近くの磯で収穫したひじきを、お客様の朝食の1品に使ったり、お土産に持たせたりするため、自家製で作っていました。
その手間のかかる事や、千葉県産ひじきの他と違いなどをお伝えしたいと思います。
ひじき収穫期の海の様子
これがひじきの原型です。
ここは磯と言って普段は海の中ですが、潮が引いている間だけ陸になります。こういう場所にひじきは生えています。
茶色くてプチプチした海草なんです。
よく見ると黒い部分がありますが、品質の悪い部分ですのでそれ以外の茶色いプチプチを切って収穫します。
収穫は漁業権を持つ人が決められた日にだけできますので、当然の事ながらそうでない人が磯に入って獲っていると通報されます。
収穫してもこのままでは食べられませんし、食べられるようになるまでにはかなり大変な手間がかかりますので、その光景も紹介していきます。
ちなみにわかめは、潮が引いても水の中という場所に生えています。
まずは組合員によって共同で水揚げ
これは地域によって違うと思いますが、私の所はまず組合員みんなでひじきを刈って漁協に水揚げします。そのお金を参加者が頭割りします。
学生の頃なんて学校を休んでまで参加したものです。参加するには色々と条件があるのですが、けっこう良いアルバイトなんです。
3日ほどやるとだいたい収穫しきってしまいます。
自家製ひじきの収穫から加工まで(収穫)
共同のひじき刈りが終わると磯の口開けとなり、個人で刈れるようにまります。
この頃になると先ほどの黒い部分が多くなってきたり、刈り残しのような場所を見つけて収穫します。
1回家まで運ぶのに15分位かかるかな?この写真の時はもう上げ潮時でこれが最後の1回。この日は12回運びました。
これだけ積むとかなりの重さですが、回数を減らさなと運びきれないのでガッツリ積み込みます。
足場の悪い所を重い荷物を背負って運ぶので、私の母は2回もひざを壊して手術しています。
朝から急いで収穫して午後からは火にかけます。
ひじきを火にかけます
午後1時頃に火をつけます。ドラム缶の底に少し水を入れて蒸していく感じです。
この時にどんどん量が減ってきますので、上からひじきを足していきます。
そのまま投入すると出来上がった時にかなりしょっぱいので、ウチでは塩分を真水で落としてから火にかけます。
洗っては投入してを2時間ほど繰り返すと、大量にあったひじきがドラム缶に収まってしまいます。この時点で5分の1ぐらいに減ってる感じです。
ちょうどその頃になるとぐつぐつしてきますので、ふたをして重しをしてさらに4時間ほど強火で炊きます。
この薪を用意するのも何日もかかってるので、自家製だからいいですが商売にしたらけっこう高く売りたいと思ってしまったりします。
夜の8時頃になると火を弱めてじっくり煮ます。風が吹くたびに火の粉が上がるので、一時も目を離せません。
若い頃はめんどくさくなってここで火を消してしまっていましたが、ここからの2時間で柔らかくなると思い炭がなくなるまで見守ります。
千葉県勝浦市はキョンという動物が繁殖してそこらじゅうの山にいますので、夜になるとその恐ろしい鳴き声にビビりながら。
朝まで余熱で蒸らします
朝になってもまだ湯気が出ています。柔らかく仕上がりました。
よくあるひじきと違って太いでしょ。よくあるひじきとはホクホク感がぜんぜん違います。
これが千葉のひじきの特徴なんです。
わかめも肉厚でよくあるわかめとは違いうんですよ。
これから干していくのですが、その前のひじきをサラダにして食べると美味しいです。
乾燥させたひじきも水で戻せばできますが、私はサラダにする時は念のため湯通しして戻します。
ひじきを干します
ひじきを天日で干します。
乾いたらひっくり返すを繰り返し、1週間ほど張り付いて干します。猫とかも来ますし。
雨が何日も続いて干せない時もあって、室内に除湿器を何台も置いて少しでも乾燥させようとしますが全然だめで、晴れた時の太陽の力ってすごいなって思います。太陽は偉大です。
干したら、小石や小さいエビなど、ひじき以外の不純物をピンセットで取り除き完成です。
プチプチのひじきを刈ってから乾燥するまでには10分の1ぐらいの量になっています。
まとめ
ひじきはこんな風にしてつくられています。
千葉県産のひじきは「房州ひじき」などという名前で売られていて、極太で食べ応えのあるのが特徴です。
機会がありましたら召し上がってみて下さい。
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