千葉県と言えば醤油の産地で有名です。
特に銚子。
なぜ銚子なのか?
ヤマサ醤油工場内にある「しょうゆ味わい体験館」という工場見学に参加して、質問しまくってきました。
無料でおみやげももらえますので、機会があったら行ってみて下さい。
しょうゆ味わい体験館の場所
千葉県銚子市北小川町2570
0479-22-9809
https://www.yamasa.com/enjoy/factory-visit/
JR銚子駅から徒歩7分
銚子電鉄仲ノ町から徒歩3分
所用時間50分
土日祝祭日、夏季休暇、年末年始休み
20分の映画上映後、30分の工場見学
到着後、受付で参加開始時間を予約して指定時刻に集合します。
状況によっては午前中に予約して午後からになってしまう事もあると思われますので、ご予約をおすすめします。
醤油とは
鎌倉時代、紀州和歌山のお坊さんが、中国で習って来た味噌の作り方を村の人に教えていた時に、桶の底に溜まった液体を舐めてみたら美味しかったという事が醤油の始まりとされています。
作り方は、大豆を蒸し、炒った小麦と混ぜ、種麹を加えます。
麹は大豆のデンプンを発酵に必要な糖に変える役目をします。
ヤマサ工場では「ヤマサ菌」という、長年育てた独自の麹菌を使っていて、発酵の力となる酵母も長年工場に染み付いた菌が自然に入って来るのだそうです。
銚子にはヤマサ派とヒゲタ派という、どこの醤油を使っているかというのが分かれると聞いた事がありますが、その個性を出す要因は麹や酵母の影響なのかもしれません。
しょうゆには300種類以上の香り成分が含まれ、これらの融合からできているので、魚の臭みをとったり、食事を美味しく引き立てるのは、しょうゆの香りがスパイスの役割を果たしているからなのだそうです。
3日間麹室(こうじむろ)で寝かせて麹菌を繁殖させます。
3日経つと色が変わってきます。
塩水を加えてタンクで発酵・熟成させます(この状態がもろみです)
見学で見る事ができます。
醤油をしぼります。
搾りかすは家畜の餌などになってしまうそうです。
しぼったしょうゆに熱を加えて殺菌(火入れ)
火入れしていない生しょうゆが美味しいのか?と質問したところ、好みの問題で一概には言えないそうです。火入れの工程は香味を整える意味もあって、火入れして完成という考え方もあるので、説明してくれた人は「私は火入れしてある方が好き」と言っていました。
機械だけではなく、人の目や鼻や舌で厳しくチェックします。
雑菌が入らないように管理された場所で容器に詰められます。
こうやって赤くて美味しい醤油が作られます。
なぜ銚子で醤油作りが栄えたか
江戸時代になると紀州で醤油作りが盛んになります。
その技術を銚子に持ち込んだのがヤマサ醤油の創業者です。
銚子は暖流と寒流がぶつかる場所で、夏は涼しく冬は暖かく湿度が高い海洋性の気候。
これが麹菌など働きに適した環境でした。
また、最大の消費地である江戸への輸送には、銚子から川用の帆掛け船で利根川を上り、江戸川を下って江戸に行くというルートが主流でした。
そのため銚子港は大変賑わったと言われています。
醤油工場も川用の船を増やし、江戸に醤油を運び、江戸で大豆や小麦や塩などの原料を仕入れて帰って来るという事ができるので、利根川沿いや野田あたりにも醤油作りが盛んだった理由が分かりました。
江戸末期、物価の交渉を抑えるために幕府から商人に販売価格を下げるよう厳命がありました。
しかし、ヤマサ醤油はじめ7銘柄は「値を下げるに及ばす」という最上醤油という称号が与えられました。家紋に「上」という文字が付いているのはその証なのだそうです。
そして紀州からも多くの職人がやってきます。
紀州には勝浦や白浜など千葉と同じ地名がありますが、こういう点にも千葉と和歌山の繋がりを感じます。
限定品
見学が終わると休憩所やショップがあります。
しょうゆソフトクリームを食べようと思っていましたが、その日はお休みでした。
せっかくなのでここでしか手に入らない限定品を買って行こうと思っていたら「ソヤノワール」という商品がありました。
醤油のうまみ成分は特級が1だとして、特選が1.1倍、超特選は1.2倍、そしてこのソヤノワールは1.5倍のうまみ成分を含みます。しかも塩分が普通のこいくち醤油と同じ程度しか含まれていないのだとか。
焼いた肉や卵かけご飯に最高でした。炒飯も良かった。
次に目にとまったのが「ひしお」
きゅうりにもろみや金山寺みそをつけて食べると美味しいですよね。
「ひしおはもろみですか?」って聞いたら、これように特別に作った物なんだそうです。よく見ると細かい野菜などが混ざっています。
これも美味しかった!
見学のおみやげは私が一番好きな丸大豆醤油でした。
とても美味しい醤油ですのでよかったら使ってみて下さい▼
まとめ
銚子で醤油作りが盛んなのには理由がありました。
我が家ではずっとヤマサでしたので一番しっくり来る味ですが、ヤマサ工場の近くにはヒゲタと山十という醤油も作られているそうです。
機会があったら違いを確かめてみたいと思いました。
食品の工場見学は「丹精込めて造られている商品の魅力をもっと知ってもらいたい」という事で行われていると思いますので、その思いが伝わってその後の食事も美味しくなります。
今後も見学に行った際には投稿したいと思います。
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