2024年は4年に1度のうるう年という事で「お遍路 逆打ち」の年なのだそうです。
お遍路とは四国88箇所の霊場を通常1から順に参拝していくのですが、逆打ちとは88から逆回りで参拝する事です。
逆回りの方が大変なので、ご利益が3倍あると言われています。
いずれにしても1200㎞の道のりを歩いてめぐるには何か月もかかりますし、バスやタクシーのツアーでも10日以上かかります。
費用も何十万になるのでしょう。
修行とはそういうものかもしれませんが、なかなか大変ですよね。
しかし、お遍路88箇所を1日で制覇出来る寺が千葉県館山市の妙音院です。
民宿をやっていた頃、お客様から教えてもらって知っていましたが、今回初めて訪れてみました。
お遍路とは?から知る事が出来ましたので、これから88箇所めぐりをお考えの方は、まずこちら妙音院にお参りされる事をおすすめします。
お遍路88箇所めぐりとは

お遍路88箇所巡りとは、弘法大師(空海)が42歳の時「人々の災難を除くため」に開いた霊場88箇所をめぐり、参拝してお札を納めて最後に弘法大師が開いた和歌山県の高野山 真言宗 総本山 金剛峯寺に参拝するというものです。
真言宗では清い心を持つ事によって即身成仏できるという考え方があり、弘法大師に導かれ霊場をめぐると88の煩悩が消え、自らを見つめなおし、身を清め、願いが叶うと言われています。
お遍路88箇所には、多くの宗派の人々がお参りされているそうです。
妙音院について

妙音院は、天正七年(1579)高野山別院・里見家の祈願寺として安房の地に開山され、里見氏が鳥取に移されると紀州徳川家の庇護(ひご)により、徳川家で保護されて来ました。

妙音院は、関東大震災で倒壊、B29が投下した爆弾によって焼失しましたが、檀信徒の協力により桜の名所として親しまれる寺に復興しました。
焼け残った鐘楼堂には、焼け焦げた跡が残っています。
「もう二度と戦争がおこってはならない」という思いを次の世代に伝えるため、大切に保管されています。

空襲で妙音院の建物はほとんど焼けてしまいましたが、一人も死者が出なかったのは身替大師のおかげだという信仰が広まりました。
この大師様は鯖(さば)を持っているので「さば大師」という別名があり、願いが叶うとさばを供える習慣があったそうです。
安房高野山88箇所霊場の由来
明治28年の初夏、1人の老尼僧が妙音院を訪れ「私は弘法大師様を慕い四国88箇所を巡拝して参りました。四国まで遠く参拝出来ない人々のために88箇所の霊場を移し巡拝出来る場所を作りたくて全国を行脚しています。ある日、弘法大師様が夢に現れ「安房に霊山あり」というお告げがありました。そして、妙音院の山門をくぐった時ここだと確信しました。この霊山をお貸しいただけないでしょうか」と必死に懇願しました。
住職はその真剣で信心深い願いに応え、美石を買い求め、名工を集めて88体の大師像を彫刻し、山を切り開き参道をつけ、良い場所に大師像を安置し、高野山主様を招いて一体一体開眼を受けました。
参拝の仕方

まずは妙音院本堂にお参りし入山料300円と願掛けセット100円を購入します。

ろうそくと線香を供えます。
実際のお遍路も各霊場でこのようにろうそくと線香を供えるようです。
さらに予約で輪袈裟、白衣、菅笠、金剛杖というお遍路の衣装を着させてもらえます(1500円)

願掛けセットにはおさめ札が入っていて、これを88箇所に納めてお参りします。
住所・氏名・願い事を書いて納めて来るのが最高ですが、こちらでは最初の1枚に書いて本堂に納める事でいいとの事でした。

いよいよ霊場へ入って行きます。
河津桜が咲き始めた2月の初め頃に訪れました。

苔むした雰囲気のある階段です。
急な所もありますが、それほど大変ではありません。

道中に彫られた穴の中に弘法大師像が納められていて、それぞれにおさめ札を置いて行きます。
20分で回れるという事でしたが、ただ歩くだけで20分位だと思います。
おさめ札を置き、手を合わせるともう少しかかりますが、願掛けに来たわけですから、ゆっくりとめぐった方が良いと思います。

色々な顔をした大師像があります。

私は最後の方にいたこの大師像が気になりました。
見所はたくさんありますが、実際にめぐって見つけていただけたらと思います。
お守り
88箇所めぐったら本堂へお参りします。
高野山より伝えられた聖なる燈火が24時間灯されています。

大師像が持っていた五鈷杵(ごこしょ)という物が置いてあって、これを撫でると身にまつわる因縁・煩悩・悪運を打ち砕くと伝えられているそうです。

五鈷杵のお守りがありました。
とても効果ありそうです。
妙音院の場所
千葉県館山市上真倉1689
0470-23-8285
妙音院 ホームページ
まとめ

妙音院の方はとても親切で「ゆっくりしていって下さいね」と何度も声をかけてくれました。
個人のSNS等の写真も大丈夫です。
また、鐘楼堂の修復プロジェクトも継続中です。
妙音院に参拝に訪れた際にはお気持ちを添えていただけたらと思います。

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